前回に引き続き
「第33回マンプロセミナー:マンション管理組合のIT化(6月)」
として初めてWEBセミナー(ウェビナー)を行った報告の、第2部をご紹介します。
第2部:マンション設備を考える
第2部では「マンション設備を考える」という内容で、マンションにある給排水・給湯設備、特に今回は電気設備に焦点をおいてお話をさせて頂きました。
近年、大型台風やゲリラ豪雨によってマンション内の様々な機器が全停止に陥るという報道もたくさん目にするようになりました。
マンションの下層階にある借室変電室やキュービクル内の変圧器が浸水することで強電(高圧の電気)共有が停止することから発生しています。これらは復旧までに時間と費用を要することから、ハザードマップを確認の上、浸水対策の検討が必要です。
もう少し身近な電気設備としては、インターホン設備です。
近年のインターホン設備は、エントランスのオートロックから各居室内・玄関前、さらには管理室と連携していることが多く、また火災やガス漏れの非常通報という機能が付加されている場合があるため、故障に気づいた時には既に手遅れです。
マンションの設備の改修方針としては「予防保全(事故や故障を防ぐことを目的として計画的に行う修繕)」と「事後保全(事故や故障がおきた後に行う修繕)」の2つがありますが、インターホンに関しては非常時に正常に動かなければ意味がないため予防保全を勧めております。
【頂いた質問と回答(抜粋)】
Q1 共用部のインフラ関係の寿命を教えてほしい。
A1 各設備を構築する部材によって耐用年数が異なりますが、幹線・配線関係に限定するのであれば、凡そ30年と言われています
Q2 専有部の設備で換気設備からの排気管や弱電配線があるが、これは共用設備ですか?
A2 下記は一般的なマンションで標準管理規約に則した見解です。
・換気設備
専有部の3D図上で紹介した換気設備(各戸の換気ファン・排気管)は、各戸内で完結するシステムのため、専有部に該当します。
※マンションの特徴に応じて、組合として対応すべき範囲が異なる設備であるため、有識者へ相談することを推奨します。
・電気設備
各戸電気メーター手前側を共用部、各戸電気メーター以降は専有部に該当します。
マンションの設備は日頃目にしない部分も多く、普段意識をしていない方も多いと思いますが、万が一停止をしてしまうと通常の生活を送ることができません。
事前の対策・検討が何より重要となりますので、適切な調査・改修工事の実施をお勧めいたします。
セミナー開催しています、お気軽にご参加下さい
翔設計グループでは、大規模修繕の話題を中心に、管理組合の方やマンション所有者の方々に向けて、さまざまなテーマで情報セミナーを行っております。現在募集中のセミナー、過去開催テーマは以下のリンクからご覧いただけます。是非お誘い合わせの上ご参加下さい。