賃貸マンションの修繕の最重要「計画修繕工事(大規模修繕工事)」について
賃貸マンションに必要な修繕は、大きく2種類あります。それは、建物の劣化状況を把握し、適切な補修や修繕を行う「計画修繕工事」と、外観や間取りの改修やセキュリティや居住性をアップさせる「改良改善工事」です。
このページでは、翔設計の「計画修繕工事」についてご案内致します。
安全を担保するために必須なのが「計画修繕工事」です
計画修繕工事(大規模修繕工事)は、屋上・外壁・シーリング・配管・鉄部等・外構など、賃貸経営を円滑に進める基礎工事。収益を得るための大前提である「安全」を担保するために必須のものです。
- 屋 上/防水:アスファルト防水・ウレタン防水など
- 外 壁/補修:塗装やタイル・シーリング
- 廊 下/補修:長尺シート補修や張替え
- 鉄 部/補修:腐食に対する塗装や補修
- 給排水/修繕:配管、貯水槽、ポンプの修繕や更新
- 消 防/更新:報知器・スプリンクラー等の点検・更新
漏水や崩落など、事故が起きると大きな損害に発展するものはきちんと定期的にメンテナンスする必要があります。
計画修繕工事(大規模修繕工事)サービス内容
大きく3つの方式があります。みなさまのご状況に合わせて、柔軟に対応致します。どの方式が良いのか?と言う方はお問合せ下さい。
1.建物設備修繕工事コンサルタント方式
建物もしくは設備の調査を行い、必要な修繕を行うことで、建物の長期的な価値を維持し、入居者に安全で快適な居住環境を提供することができます。
STEP①
方針策定にあたり、建物設備修繕工事に必要な各種調査を基に、設計概算金額と優先順位を明確にします。この段階で工事の実施時期も提案します。即実施する場合は次のフェーズへ進みますが、延期する場合は年次で状況を監視し、適切なタイミングで再提案します。
STEP②
実施体制構築では、施工会社が見積もりを出しやすいように、詳細な設計図書を作成します。これには仕様書や図面、参考数量内訳書が含まれます。同時に施工会社を選定しやすいように、資料提供やアドバイスなどの発注準備サポートも行います。
STEP③
工事実施では、仕様書に基づいて工事が適切に進行しているかを確認、検査します。一般的に工事現場へは週1~2回程度の重点監理で行い、必要な場合は是正指導も実施します。
2.発注支援方式
直接施工会社へ依頼していた方式で進めるにあたり専門的な知識を持った第三者の意見を加味して進めていく方式になります。
STEP①
方針策定にあたり、現地確認も行い、大規模修繕工事の目的を整理します。
STEP②
工事発注準備では、今回の見積要項書(要件定義書)を作成し、それに伴い各施工会社から提案を受けて施工会社を決めていきます。施工会社選定にあたり、会社規模、類似実績、金額を比較し、1社に絞ります。
また、設計監理方式との大きな違いは、修繕範囲、仕様、保証、施工計画など各社バラバラの提案が来ますので、どこを見て判断し選んでいけばよいのかサポートさせて頂きます。
STEP③
工事実施では、工事監理という立場で適宜、書類や工事の進捗や品質などについて確認し、是正指導を実施します。
3.建物設備総合調査
人間ドック同様に建物設備の健康診断を行います。計画修繕の経年劣化のほか、改良改善の時代適応されていないものも調査し、ご報告・修繕概要のご提案をいたします。
- 建物設備の目視調査(屋上や外壁、廊下、部屋内部内装)
- 機械調査(給排水給湯の内視鏡カメラ調査)
- 調査結果報告、修繕概要の提け
「改良改善工事」と「内装改修工事」もご検討をお勧めします。
計画修繕工事だけでは、安全性は保たれても徐々に時代遅れのマンションになっていき収益性は落ちてしまいます。そのため、建物の付加価値を上げるための「改良改善工事」が必要です。
加えて部屋のリフォーム、間取り変更、設備機器の入替えなどの内装改修工事も安定した賃貸運営には不可欠です。
長期的に見た場合、修繕と維持管理は収益確保に大きく影響します
①修繕費用の負担
修繕には多額の費用がかかるため、多くの方が費用負担を避けたいと考えます。特に、収益が低下している場合や資金繰りが厳しい場合には、修繕費用を捻出するのが難しいため。
②修繕の必要性の認識不足
建物の劣化状況や修繕の重要性を十分に認識していない。外観や設備の劣化が進んでいても、それが直ちに収益に影響しないと考えると、修繕を後回しにするため。
③短期的な利益優先
長期的な建物の維持管理よりも短期的な利益を優先させる傾向にある。そのため、修繕にかかる費用を避けて、目先の収益を維持しようとするため。
④計画の欠如
修繕を計画的に行うための知識や経験が不足している可能性がある。計画修繕には長期的な視点と専門知識が必要であり、欠けていると修繕が先延ばしにされるため。
⑤入居率や家賃に対する過信
現在の入居率や家賃収入が比較的安定している場合、修繕が必要ないと考えること多いため。
以上、長期的な視点で見た場合、適切な修繕と維持管理は物件の価値を保ち、安定した収益を確保するために重要なことだと認識していただけると思います。(←ここまでの文章から導き出せないように思います)
国土交通省でも「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」を公表しておりますので、当社ホームページと併せてご参照ください。
国土交通省HP