マンションの「終活」を考えることが必要です
「マンションの終活とは、高経年のマンションをその後どうするのか決めることです。高経年マンションは、建替え・改修・再生・売却など何かしらの「進むべき方向」を整理し、決めなくてはなりません。」
また、築40年を超えてくると、設備更新などが必要な時期に差し掛かるため、建物の修繕・改修に大きなお金がかかるため、より一層です。
この時大切なのは「きっとこうなるだろう」という憶測では無く、マンションの実態を把握した上で現実的な計画を立てることです。
翔設計ではこの「建物の終活」を憶測では無く、きちんとした根拠を元に最善の方向に持っていくサポートをしています。
高経年マンションの将来は大きく3つあります
1.建替える
解体して新築します。マンションの規模により取り組み方は複数あります。合意形成や費用負担の難しさがあります。2.メンテナンスして長く使っていく
設備を更新していき、長く使っていきます。スーパーリフォーム(一棟リノベ)という選択肢もこちらに入ります。3.解体して敷地売却する
建物がある限り管理組合が解散できないので、解体して敷地を売却します。売却金は区分所有者に分配して管理組合が解散します。自分のマンションが建替えできるか知っていますか?
以下は国土交通省による、地方公共団体等向けの調査をもとに国土交通省が集計した「マンション建替えの実施状況」です。
住宅:マンションに関する統計・データ等 – 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000058.html
建替えが実現したマンションは、たった2%以下
建替えの実施状況は件数であり、管理組合の数や住戸数の詳細が不明のため、単純比較はできません。
しかしグラフを見ると、現在のマンション建替えの実績は累計で282件、約23,000戸(2023年3月時点)しかありません。
築40年超えのストックマンションは127.5万戸(2022年末時点)ですので、建替えたマンション全てが築40年超と仮定すると、2.3/127.5=1.80%と、なんと2%以下となります。
建替えに進んだ(進むことができた)マンションは2%未満と、限りなく少ないのです。
実は「建替え」は非常に難しいのです。
どういうマンションなら建替えができるのか?
進まない建替えに対し、国は「マンション建替え等の円滑化に関する法律」(俗称「マンション円滑化法」を制定し、合意形成等が少しでも進むような取り組みをしています。
実際、この円滑化法のおかげで敷地売却方式が可能となり、建替えに進むことができたマンションもあります。
敷地売却方式は、デベロッパーが建替組合に参加して事業費を負担しながら、最終的には売却を完了させるモデルですので、デベロッパーの利益が必要となります。
そうなると、建替えができるかどうかは、デベロッパーの利益が確保できるかどうかに大きく左右されます。
- 今のマンションよりも規模を大きくできる
- その上で分譲想定価格が高い
- 建替えにかかる事業費が安い
建替えが難しいとなったら、どうすれば良い?
建替えが難しい場合は、いかにして長く使うかという方向性となります。そのためには以下のステップで考えることが重要です。
- 建替えの可否を確認する(ボリューム・事業性)
- 現状の建物の耐久性を調査し、推定寿命を算出する
- その結果をもとに建物をいつまで使うのかを残手でも良いので決める(合意形成)
- そこに向かって、改修や再生を行う。時代適応や大規模修繕などの将来計画を策定する
どの位もつのか?耐震補強は必要か?住み続けるならどんな設備が欲しいか?
建替えの可否も含めて、全員で納得しながら確かめ、進めていくことがとても大切です。翔設計では、みなさんが納得して前に進んでいけるように、客観的な資料や各種調査などを行い、合意形成をサポートしています。
終活の方向性は「建替え」「改修」「スーパーリフォーム」「耐震補強+改修」「売却」などがあります。また、長寿命化させるなら設備を時代に合わせて時代適応することも住みやすさや資産価値の面で重要です。
翔設計の「建物終活コンサルティング」サービス
私たち翔設計は、高経年建物の課題と向き合い続けてきました。修繕も建替えも、それぞれに解決すべき課題があります。
世の中に二つとして同じマンションが無いように、終活の姿はマンションによってそれぞれです。
建替えができるのか、できないならどうしていくのか、一つ一つを根拠を元に確認し、進むべき方向を定め、進んでいく。それが終活のあるべき姿です。
特に旧耐震物件ともなると、耐震診断が絡んでくることもあり、数か月といったスパンでは検討できないため、数年にわたる検討期間が必要となります。
建替えが可能なのか(ボリューム、事業性など)、しっかり長寿命化するにはどうする必要があるのかなどを順を追って検討していくことがポイントです。
様々な角度からの検討を、複数年に渡って伴走しながらサポートしていき、合意形成を図り、進むべき道へと導くサービスが、翔設計の建物終活コンサルティングサービスとなります。
「建物終活コンサルティング」サービス内容
- ボリュームチェック(建替えでどれくらいの建物規模になるのか)
- 事業性検討(戸当たり負担がいくらくらいになりそうか)
- 躯体耐用年数評価(躯体があと何年くらいもちそうか)
- 耐震診断~補強案検討(耐震補強する場合の、可否やコスト感)
- スーパーリフォーム検討(建替えが難しい場合、新築同様に再生させる検討)
- 将来計画策定・長期修繕計画見直し
- 時代適応コンサルティングサービス など