マンション管理組合の理事に就任した方がおさえるべき5つの事

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ガイド:マンション管理組合の理事になったらやるべき事

翔設計のノウハウを元に、お悩みのマンション管理組合理事の方々を対象に、おさえて頂きたいポイントをまとめたガイドを作成しました。特に、以下のような方々におすすめです

  • マンション管理組合の理事を初めて務める方
  • 理事としての役割や責任について理解を深めたい方
  • 効率的な理事会の運営方法について知りたい方
  • マンション管理に関する外部専門家の活用方法を身につけたい方
  • 管理会社との良好な関係を築きたい
  • 住民の自主性を尊重しながら、マンションを管理していきたい方

「理事になったらまず何をすべきか?」というところからスタートし、新任理事が遭遇するであろう多くの課題や疑問に対しての、具体的で実践的な内容です。

管理の基本から理事会の運営、外部専門家の活用、住民との良好な関係構築に至るまで、幅広いトピックを網羅しており、マンション管理組合の運営に関わる方々にきっとお役に立つと思います。

お悩みの際はお気軽に翔設計にお問合せ下さい。

目次
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    1.マンションの全貌を理事会メンバーで共有する

    マンション管理組合の理事就任後は、まず現状把握が重要です。
    敷地と建物全体を視察し、基本情報を共有することから始めましょう。

    管理組合の実態把握のため、以下の5点をまず確認してみましょう

    1. 住民の居住率:賃貸転用や空き家の状況
    2. 世帯構成:年齢分布や将来の高齢化対策の必要性
    3. 管理費・修繕積立金:資金状態と徴収状況を把握
    4. 管理会社との関係:委託業務の内容と住民の評価を確認
    5. 理事会以外の団体や地域との関係:自治会や地域活動との連携を理解

    これらの情報を理事会メンバーで共有し、マンションの現状と課題を正確に把握することで、効果的な運営管理と将来を見据えた対策立案が可能になります。

    管理組合の実態把握:5つの重要ポイント

    次に管理組合の実態を把握する上では理事会の基本情報として次のような事柄を共有することをお薦めします。

    1.住民の居住率

    マンションは時が経つと、区分所有者が居住せずに賃貸に転用したり、空き家になるケースも増えていきます。マンションの運営管理を担う管理組合の一員が、実際には住んでいないという率が増加すれば、運営管理上や合意形成で難しい側面も発生します。

    実態としてマンションに居住する区分所有者の割合はどの程度か、また賃貸や空き家率が高まっているのであれば、今後の対応や外部の区分所有者との情報共有の対策を講じることも必要になります。

    2.世帯構成を知る(人数・年齢構成等)

    住民の世帯構成や年齢分布の現状を把握することはとても大事なことです。これらは管理組合の今後の方向性に大きく影響するからです。

    10年経過すればマンションだけでなく住民も10歳年をとります。新築当初の住民は若い家族世帯ばかりだったのが、数十年経てば徐々に円熟した集団へと変化します。

    すでに多くのマンションが抱えている問題のひとつに高齢化があります。また、いまは高齢化に悩んでいないマンションでも、将来的には住民が高齢化するのは避けられません。

    管理組合は、高齢者が元気で健康でいられるためにできることや、若い世帯へ住み継がれるような循環の仕組みをつくっていくことで、管理組合は経済的にも人的活力も継続していけることは間違いありません。

    マンションの将来を見据えて長期的な方向性を探っていくためにも、管理組合の年齢構成などの実態を理事会内で把握しておく必要があります。

    3.管理費・修繕積立金の実態を知る

    管理組合の資金状態とそのベースとなる管理費や修繕積立金の現状はしっかり確認しておくべき重要ポイントです。管理組合の運営資金のすべては、これらで賄われているのですから、理事会は100%の徴収に努めることが基本です。

    たとえば必要な修繕工事を資金不足が理由で行えない、などという事態は未然に防いでいかなくてはなりません。理事のメンバーは、常にそれらの徴収状況を把握しておく必要があります。

    4.管理会社との関係

    管理会社は、理事会の負担を軽減できるだけでなく、効率的に理事会の機能を高める助けにもなります。その一方、費用対効果の面でメリットの少ない管理会社利用が問題になるケースも多くみられます。

    そこで、実際にどのような業務をどのような条件で管理会社に委託しているかだけでなく、マンション住民が管理会社に対してどのように思っているかといった情報も含め、理事メンバーは共通の認識としておくと良いでしょう。

    5.理事会以外の団体や地域との関係

    理事会以外にもマンション内にほかの組織が活動していることはよくあります。理事会の諮問機関として複数の専門委員会が組織されている場合や、サークル、クラブ、同好会などを公認している管理組合もあります。

    またマンション住民も地域の一員ですから、快適なマンション生活には地域行政はもちろん自治会(町内会)や商店街などとのつながりも大切にし、防災も含め地域づくりに貢献していくことが求められています。

    こうした地域活動において、管理組合がマンション管理業務と自治業務を兼ねているマンションと、管理組合とは別に自治会が存在するマンションがあります。あるいは、地域の自治会にマンション住民が含まれているケース、大規模な団地やマンションであればひとつのマンションでひとつの自治会となっているケースもあります。

    理事として抑えておくポイントは、自治会の存在の有無や、管理組合と自治会の業務の領域、そして互いの関係性です。これは、地域の習慣や管理組合の歴史のなかでさまざまな状況が存在しますので、特に理事会のメンバーは共通認識を持って対応していくことが必要になります。

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    2.業務の分担を決める

    1. 理事会の役割と権限

    マンション管理組合における理事会の役割は以下の通りです:

    • 日常的な運営管理
    • 総会に向けた議案書の原案策定
      • 決算報告
      • 事業報告
      • 次年度予算案や事業計画
      • 管理規約の改正案
      • 管理組合への委託契約
      • 長期修繕計画

    理事会は総会の承認事項に則って運営を行いますが、近年では管理規約の見直しにより、以下のような権限が与えられる傾向にあります:

    • 管理費などの未納者への支払い請求
    • マンション敷地内での違法駐車への対処
    • 生活騒音等のクレーム対応
    • 住民による住戸のリフォーム工事の許可

    2. 理事会の構成と役割分担

    理事会は通常、以下のメンバーで構成されます:

    役職主な役割
    理事長– 管理組合の代表
    – 契約締結
    – 重要書類・公印の保管
    – 最終決済
    – 理事会・総会の招集と議長
    副理事長– 理事長の補佐
    – 理事長不在時の代理
    理事– 各種業務の担当(例:会計、広報、防災、修繕、イベント・企画、渉外)
    監事– 理事会の監査役
    – 理事の業務や管理組合の財産状況のチェック

    理事長、副理事長、会計担当理事は理事間の互選によって選出されます。

    3. 効果的な理事会運営のポイント

    1. 業務の適切な分担
      • 各理事の能力や経験を考慮
      • 必要に応じて役職の新設や兼任も検討
    2. 良好な人間関係の構築
      • 事務的な関係を超えた信頼関係の醸成
      • 相互理解と協力の精神の育成
    3. 楽しい雰囲気作り
      • 単なる義務ではなく、やりがいのある活動として捉える
      • 小さな工夫で理事会を楽しいものに
    4. 個々の理事の心構え
      • マンションの運営管理という共通目的の認識
      • 前向きで協調的な姿勢の維持

    以上の点に留意しながら理事会を運営することで、より効果的かつ円滑なマンション管理が可能となります。各理事が自身の役割を理解し、協力して取り組むことが、快適なマンション生活の実現につながります。

    3.目的を決めて、年間スケジュールをつくる

    1. 理事会業務の特性と年間計画の重要性

    理事会の業務は多岐にわたり、以下のような時間軸で構成されています:

    • 日常的な事柄(共用部分の環境整備や管理)
    • 1年単位の作業(年次総会に向けた各種議案まとめ)
    • 数年にまたがるもの(大規模修繕など)

    理事の任期や年1回の総会開催が法定されていることから、1年単位でのスケジュール管理が合理的です。

    2. 年間スケジュールの作成手順

    1. 総会開催日を基準点として設定
    2. 法定で定められた実施事項の日程を決定
    3. 準備に必要な会議や打ち合わせの期間を考慮
    4. 日常的な問題や懸案事項に対応するため、月2回程度の定例会議を設定
    5. 1年間のカレンダーに理事会のスケジュールを記入
    6. 年間業務の検討期日を決定
    7. 細かい実務を割り振る

    3. 効率的な会議運営のためのポイント

    • 各会議の具体的な内容を事前に決定
      • 審議事項
      • 決定事項
    • 12カ月分の検討事項と決議事項を予め決定
    • 3カ月先までの細目の議案書案を随時作成
    • 各理事の役割と期限を明確化

    4. スケジュール管理の注意点

    1. 柔軟性の確保
      • 遅れや変更が発生した場合、適宜スケジュールを調整
    2. 計画完遂への努力
      • 極力スケジュールを重視し、1年の計画を完了するよう努める

    5. 年間スケジュールの利点

    1. ストレスのない理事会運営
    2. 効率的な業務遂行
    3. 各理事の役割と責任の明確化
    4. 長期的視点での管理組合運営

    このように年間スケジュールを作成し、計画的に理事会を運営することで、効率的かつ効果的なマンション管理が可能となります。各理事が全体の流れを把握し、自身の役割を理解することで、スムーズな理事会運営と管理組合の目標達成につながります。

    4.外部の専門家を活用する

    外部の専門家を適切に活用することで、理事会は過大な仕事量から解放され、より戦略的な意思決定に集中できます。専門家のノウハウや知識を利用することで、満足度の高い運営管理を実現し、マンション全体の価値向上につながります。ただし、外部委託に頼りすぎず、理事会自身が主体性を持って管理組合の運営に関わることが重要です。

    1. 理事会の役割と外部委託の重要性

    理事会の主な役割:

    • やりたいこと・やるべきことを決めること
    • 管理組合の期待に応えること

    実務作業は外部に委託すべき理由:

    • 理事の負担軽減
    • 効率的な管理運営
    • 専門知識の活用

    2. 外部委託の対象と方法

    外部委託の対象と方法

    委託対象委託先メリット
    実務作業管理会社専門的な知識と経験を活用
    専門的アドバイスコンサルタント客観的な視点と専門知識の提供
    特定の業務住民による諮問委員会住民の意見反映と参加意識の向上

    3. コンサルタントの役割と活用方法

    コンサルタントの主な役割:

    • 管理組合の代理人としてのサポート
    • 専門分野の知識や情報の提供
    • 客観的なアドバイスの提供
    • 管理会社との交渉や折衝の代行

    コンサルタント活用のメリット:

    1. 専門的な知識とノウハウの獲得
    2. 客観的な視点からの助言
    3. 管理会社との適切な関係構築
    4. 理事会の負担軽減

    4. 管理会社とコンサルタントの使い分け

    項目管理会社コンサルタント
    主な役割マンション管理の実務面を代行理事会を窓口として管理組合全体を総合的にサポート
    専門性日常的な管理業務に特化幅広い専門知識と経験を活用
    立場業務委託先管理組合の代理人

    5. 外部専門家活用のメリット

    1. 理事会の役割を明確化し、核となる業務に集中することがきでるから
    2. 不得意な分野や手が回らない業務は積極的に外部委託を検討できるから
    3. 管理会社とコンサルタントを効果的に使い分けられるようになるから
    4. 外部委託後も適切なチェック体制を維持することができるから
    5. 専門家の意見を参考にしつつ、最終決定は理事会で行うという流れにできるから

    5.管理会社を活かす

    管理会社を効果的に活用することは、マンション管理の質を向上させながら、理事会の負担を軽減する重要な戦略です。ただし、理事会は常に主導権を持ち、適切なチェック機能を果たすことが不可欠です。管理会社と理事会が適切に連携することで、より良いマンション管理が実現できるでしょう。

    1. 管理会社の役割と重要性

    管理会社は、管理組合が責任を持つべきマンション管理の実務を委託され、遂行するプロフェッショナルです。彼らの存在は、理事会がチェック機能に専念する上で非常に重要です。管理会社を効果的に活用することで、理事会は煩雑な各種業務から大きく解放されることになります。

    2. 理事会の責任とチェック機能

    管理会社を活用する一方で、理事会には確実なチェック機能を果たす責任があります。管理費を支払っている以上、無駄な支出は避けなければなりません。理事会が業務の主導権を保持するためにも、以下のような業務内容の概要を理解しておく必要があります:

    • 設備の点検
    • 植栽の維持
    • 建物の修繕
    • 管理費・修繕積立金の収支管理

    ただし、理事に求められる知識のレベルは、管理会社の仕事をチェックし、疑問があれば質問できる程度で十分です。

    3. 管理会社活用のメリット

    管理会社に業務を委託することで、理事自身が作業を行ったり、個別に業者に発注したりする場合と比べて、理事の負担は大幅に削減されます。適切な知識を持って管理会社に業務を委託することで、より効率的にマンション管理を進めることが可能となります。

    4. 現状と今後の展望

    現在、ほとんどのマンションでは、本来管理組合が行うべき管理業務の全部または一部を管理会社に委託しています。この傾向は、マンション管理の専門化と効率化の要求が高まる中で、今後も続くと考えられます。

     

    6.住民の自主性を育てる

    理事会の役割は、住民の自主性を引き出し、サポートすることにあります。適切な環境整備と情報共有により、理事会と住民が協力してマンション管理を行うことができ、結果として全体の満足度向上につながります。

    1. 理事会の目的

    理事会の主な目的は以下の通りです:

    • 住民の楽しいマンション生活の実現
    • 管理・運営の仕組みづくりの検討
    • 目的や目標を住民と共有すること

    2. 自主性の重要性

    理事会の運営において最も重要なのは「自主性」です。ある成功例では、以下のような特徴が見られました:

    • 理事会が基本的な準備を整える
    • 多くの判断を住民の自主性に任せる
    • この運営スタイルを時間をかけて築き上げる

    3. 具体的な取り組み例

    1. 災害時の備え
      • 発電機やトランシーバーの備蓄
      • 除雪用スコップの常備
    2. 広報活動
      • 備蓄品の存在を継続的に周知
    3. 住民の対応
      • 停電や積雪時に住民が自主的に対応
      • 理事不在時でも適切な判断と処理が可能

    4. 理事会を楽しく運営するコツ

    • 全てを自分でやろうとしない
    • 基本的な段取りを整える
    • 住民に任せる部分を明確にする

    5. 自主性を育む仕組みの効果

    1. 住民の自主的な行動
      • 情報共有とルールの確立により促進
    2. 理事会への依存度低下
      • 自分でできることは自分で解決する姿勢の醸成
    3. 管理組合運営の高度化
      • 住民からの積極的な提案や要望の増加

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